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ブロックチェーンC(仮想通貨、金融、非金融)

ブロックチェーンC(仮想通貨、金融、非金融)

■ブロックチェーンの適用範囲
ブロックチェーンは、2008年にナカモト氏によって、ビットコインの中核技術として、世に発表されました。そのため、ブロックチェーンは、仮想通貨のためだけの技術だと思わるかもしれませんが、そうではないのです。下表のように、ブロックチェーンは金融分野にも適用できるだけでなく、非金融分野にも適用することができます。

 

ここでは、一つ一つのソリューションを詳しく掘り下げていくことはしませんが、ブロックチェーンの適用範囲が幅広く、企業の業務や我々の生活にインパクトを与えようとしているのだということを感じていただければと思います。

 

ブロックチェーンC(仮想通貨、金融、非金融)

 

■ブロックチェーン×仮想通貨
まず、ブロックチェーン技術は元々ビットコインのための中核技術であるというお話は繰り返しさせていいただきました。ビットコインは仮想通貨とも呼ばれていますが、仮想通貨はビットコイン以外にも生まれています。これらビットコイン以外はアルトコインと呼ばれており、イーサリアムやリップルコイン等が該当します。ビットコインとアルトコインの違いは、ビットコインは発行者がいない純粋なプログラムであるのに対して、アルトコインは発行者が存在しているという点です。

 

更に発行者がいる仮想通貨として、ICO(Initial Coin Offering)というものもあります。ICOとアルトコインの違いは、アルトコインは発行者の事業業績にコインの価値が連動しませんが、ICOは発行者の事業業績にコインの価値が連動するという点です。この事業業績にコインの価値が連動するとう点何かに似ていないでしょうか?

 

そうです。企業の株式と類似しているようにもみえます。そのため、ICOはIPOと比較されることもあります。

 

以上のようなビットコインやアルトコインが今後どれほど流通し貨幣のような機能を果たせるのか、ICOが各国の企業や投資家に浸透していくのかは、制度面との兼ね合いもあり不透明であるというのが2018年の状態です。

 

■ブロックチェーン×金融分野
次にブロックチェーンと相性が良いのが金融分野です。これは、ブロックチェーンが仮想通貨から生まれた技術であるということが影響していると思っています。まず、金融分野において手数料を抑えた海外送金やマイクロペイメントを可能にしたのはビットコインの機能を活用してのことです。

 

更に、資産取引、デリバティブ取引、トレードファイナンス等に対してもブロックチェーンを活用していくことが試みられています。また、AML (Anti-Money Laundering: マネーロンダリング防止) 、及びKYC (Know Your Customer: 顧客情報の確認)は、金融機関の責務として求められる機能ですが、ブロックチェーンを活用して各金融機関のデータベースを共有することによって、同一顧客の情報を各金融機関でシェアする等の対応が低コストで実現できることが期待されます。金融分野のブロックチェーンの適用については、参考文献にある「みずほ総合研究所」のレポートが参考になるかと思います。

 

■ブロックチェーン×非金融分野
第三の分野として、ブロックチェーンは非金融分野への応用も試みられています。例えば、土地の登記には複数の書類や手続きが必要となり登録までに数日以上の時間を要す場合もありますが、ブロックチェーンを活用することによって、1時間以内で登記を可能するような検証実験もあります。

 

また、個人情報保護の必要性が高い医療情報やデータの同期やリアルタイム性が求められるサプライチェーンにも応用することが可能と言われています。他にも中央管理者がいない電子投票や著作権管理にも活用することが可能です。

 

また、IoT、シェアリングサービス、個人間取引等の個人顧客向けのサービスとの相性も悪くありません。例えば、カーシェアリング等に使用されるスマートロックは個人認証やセキュリティー性が求められ、ブロックチェーンの特徴を生かすことが可能です。非金融分野への取り組みについては、参考文献の「ブロックチェーン技術入門」の事例が参考になるかもしれません。

 

以上のように、ブロックチェーン技術は、元々ビットコインを始めとする仮想通貨に適用されていたものが、10年を経て金融分野にも広がり、今では非金融分野にまで適用されています。ブロックチェーンは仮想通貨だけではなく、むしろその周辺の分野において花開き大きなインパクトを与える可能性があると感じています。

 

皆さんの身近な分野においてもブロックチェーンの実証実験がなされているかもしれませんので、ぜひ掘り下げてみると面白いかもしれませんね。

 

[参考文献]
Satoshi Nakamoto. (2008). Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System. https://bitcoin.org/bitcoin.pdf#search=%27Bitcoin%3A+A+PeertoPeer+Electronic+Cash+System%27

 

岸上順一, 藤村滋, 渡邊大喜, 大橋盛徳, 中平篤. (2017). ブロックチェーン技術入門. 森北出版株式会社

 

服部直樹.(2006). ブロックチェーンがもたらす金融ビジネスの革新. みずほ総合研究所. https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/insight/us161121.pdf
(掲載: 2018/05/12)

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