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V字カーブ

■V字カーブとは?
V字カーブとは、横軸に事業規模、縦軸に収益性をとり、企業をプロットしていくと、下記イメージのようにV字のカーブで近似されるという考え方です。事業規模が大きいリーダーとニッチャーの企業群は比較的高い収益性を示しますが、事業規模が中途半端なフォロワーの収益性は相対的に低くなるというものです。全ての業界で当てはまるものではありませんが、多くの業界で似たような傾向が見られるようです。

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■V字カーブから読み取れること
V字カーブから読み取れることはどのような事でしょうか。リーダー、フォロワー、ニッチャーというカテゴリーで考えてみたいと思います。

リーダー
その業界のリーディングカンパニーと言われるようなプレーヤーで、以下のような理由から収益性が高くなっていることが考えられます。
・比較的に高い売上高シェアを獲得しており、原材料や部品の調達に際して規模の経済を活かすことで収益性を高めることができる
・業界の中でブランドや名声を確立している可能性があり、競合と比較して価格を下げる必要性が無い可能性がある

フォロワー
フォロワーの収益性がリーダーやニッチャーと比較すると低くなっている理由は以下のような理由が考えられます。
・リーダーと比較して、売上高シェアが小さくなっており、原料や部品の調達に関して、規模の経済を活かすことが難しい
・製品やサービスに関して、リーディングカンパニーと比較してブランドや名声がなく、強気の価格設定が難しい可能性がある

ニッチャー
事業規模が小さいにもかかわらずニッチャーの収益性は比較的に高くなっております。これは、リーダーやフォロワーが参入できない程小さい市場、いわゆる隙間(ニッチ)の市場を見出し、その市場を独占するような製品/サービスを打ち出すことができているためです。ニッチ市場においては、業界でリーダーとなり得るような規模が大きく強い企業が参入することができないため、競争相手がいない状態となり、独占的な契約や強気の価格設定をすることが可能となります。結果として、ニッチャーは高い収益性を示せるようになります。

このように、フォロワーのポジションが最も中途半端で、収益性も高くありません。自社がフォロワーに位置しているときは、リーダーのポジションを狙うチャレンジャーとなるのか、思い切ってニッチ市場を開拓するのかという選択をどこかの時点で行うことが必要となるかもしれません。

[参考文献]
遠藤功(著). (2011). 経営戦略の教科書. 光文社新書.