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組織形態(マトリクス型組織)

■マトリクス型組織とは?
マトリクス型組織は、下記イメージ図の通り、職能と事業分野(製品/エリア等)の二軸で表される組織形態です(イメージ図の場合には、職能×製品のマトリクス)。事業部別組織のように事業部ごとに職能機能を保有するのではなく、各職能機能は全社横断的に全ての製品軸をカバーします。

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■マトリクス型組織のメリット・デメリット
<メリット>
・専門性の深化
マトリクス型の組織を採用することにより、会社全体として、研究開発、製造、営業といった職能ごとの専門性を深めることが出来るようになります。
・効率性向上
職能毎に全社横断的に全ての製品をカバーしていますので、効率性が高まります。例えば、イメージ図の場合、製品ごとに事業部が分かれていますが、製造という職能は全社横断的に全ての製品をカバーしています。そのため、ボリュームディスカウントにより、原材料や部品の調達コストを低減することができるようになります。また、人的なリソースも会社全体として必要、且つ最適な人数へ保つことが可能になります。

<デメリット>
・リソース配分が困難
各職能が全社横断的に各事業部(イメージ図では製品ごとの事業部)をカバーする必要があり、リソース配分が難しくなります。例えば、イメージ図において、A製品の需要が当初の計画よりも大きいことが判明した場合、A製品のための製造キャパシティーや営業人員を当初の予定よりも多く配置することが必要になります。しかし、製造や営業のリソースを多く使用するためには、B製品事業部やC製品事業部との合意形成を行う手間が発生する可能性があります。

・人事評価が困難
マトリクス型の組織の場合には、各担当者は二人の上司を持つことになります。イメージ図においては、職能別の上司と製品 事業部別の上司が付くことになります。そのため上司は、担当者の負荷や成果の全てを把握することが難しくなります。結果として、担当者の上司が一人のみの場合と比べて評価が難しくなります。

このように、事業部別組織のデメリットである機能の重複や部分最適化について、マトリクス型組織は一つの解を示しております。しかし、他の組織形態と同じように、デメリットは存在します。特にリソース配分が難しいことや上司が二人いることによるマネジメントや評価が難しい点は考慮に入れておいた方が良いと思います。このマトリクス型組織の導入事例は職能型組織や事業部別組織と比較して多くはありませんが、コンサルティングファーム等においては実際に採用されています。