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企業成長の5つのフェーズ(フェーズ5:コラボレーション)

■コラボレーションによる発展期
グレイナー博士が提唱する企業成長の5つのフェーズの5番目のフェーズは、コラボレーションにより発展をしていきます。官僚主義から脱却していくために、このフェーズでは、個人の違いを超えてチームを通した自発性が優遇されるようになります。正式な管理ではなく、文化面による管理や自律性により企業をコントロールしていきます。企業は以下のような特徴を有していきます。

・チームによる問題解決を重視します。
・チームは、特定のタスクを実施するために各機能を統合し機能横断チームとなります。
・本社の専門スタッフの数は減っていき、一部の人財は部門横断チームに統合されていきます。
・特定の問題に対するチームを組成するために、マトリックス型の組織が採用されることがあります。
・複雑な管理の仕組みは単純化されてゆき、一つの多目的の管理機能へと統合されていきます。
・主要なマネージャーが主要な問題に対処するために、頻繁にミーティングが開催されます。
・チームワーク醸成や問題解決のためのスキル向上のために、マネージャー向けの教育プログラムが用いられます。
・日常の意思決定にリアルタイムの情報システムが使用されるようになります。
・個人よりもチームのパフォーマンスに対して金銭的報酬の重みが置かれます。
・新しい試みが組織内で奨励されるようになります。

コラボレーションによる発展期を迎えた組織のイメージは大企業の中でも先進的な取り組みを採用し、より発展しようとしている組織のイメージかと思います。

■次の改革フェーズは何か
このコラボレーションによる発展期のあとにやってくる改革はどのような内容になるのでしょうか?日本の大企業の多くは、コラボレーションによる発展期のフェーズにあり、この後にどのような改革が必要になるのか暗中模索の時期なのかもしれません。
ここからは、あくまでも私見ではありますが、AIの発展やクラウドソーシング等により働くスタイルが変化していくことが、今後の組織の改革に大きな影響を及ぼす可能性があります。スキルを持った人財は、組織から離れて個で活動できる機会が増えてきていくことになります。そのような状態の中で、人が集まり、組織として活動していく意味や優位性を見出した企業がこれらかの時代に大きなアドヴァンテージを持つことになると思います。組織は時代に合わせて、その形態を変化させていくものです。有能な人財を引きつけ活性化させることができる組織形態を生み出していく時期に差し掛かってきているのかもしれません。

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(引用)Greiner. L. E (1998). Evolution and Revolution as Organizations Grow. Harvard Business Review.に基づき作成

[参考文献]
Greiner. L. E (1998). Evolution and Revolution as Organizations Grow. Harvard Business Review. https://hbr.org/1998/05/evolution-and-revolution-as-organizations-grow