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企業成長の5つのフェーズ(フェーズ4:コーディネーションと官僚主義)

■権限委譲による発展期
グレイナー博士が提唱する企業成長の5つのフェーズの4番目のフェーズは、コーディネーションにより発展し、発展した結果として、官僚主義に陥っていきます。官僚主義から脱却するための改革が必要となってきます。まず、企業がコーディネーションによって発展をしていくことにより、以下のような特徴を有していきます。

・分散化されている組織は、商品ユニットごとに統合されていきます。
・計画策定手順が正式に確立され、定期的に報告がなされています。
・全社横断の施策を遂行し、現場マネージャーを管理するために多くの要員が本社への採用・勤務となります。
・設備投資は、会社全体に配分されます。
・各商品ユニットは、投資センターとしてみなされ、予算配分のために、ROIが重要な評価指標となります。
・日々のオペレーションは分散化されていますが、データ管理のような技術機能は本社にて中央管理されます。
・ストックオプションや利益配分が従業員の会社との一体感を強めます。

この新しいコーディネーションの仕組みは、会社の限られたリソースを効果的に配分し、成長するために効果的です。現場マネージャーは自分たちのユニットを超えた全社的な視点を持つようになり、本社のお目付け役の目を気にするようになります。

■官僚主義の跋扈
コーディネーションの仕組みにより、各ユニットのメンバーが全社的な視点を持つようになる一方で、官僚的な組織へと変わっていきます。問題解決自体よりも手順や手段に重きを置くようになり、イノベーションは組織中から影をひそめていきます。また、ルールに縛られる傾向が強くなり、マネージャーとスタッフ、本社と現場マネージャーの間でお互いの信頼感が希薄になっていきます。結果として、スタッフは現場マネージャーの、そして現場マネージャーは本社の官僚的な姿勢について批判するようになります。

■官僚主義からの脱却
本社主導で規律を強めることよって、効率性を高め発展することが出来ましたが、行き過ぎることによって、官僚主義へ落ち込むことになります。官僚主義から脱却するために、単純に組織を分散化させてしまえば、元の木阿弥で全体最適の観点で非効率的な組織に逆戻りしてしまいます。そのため、官僚主義からの脱却するために各ユニットが自律的に活動をしたうえで、全体最適の観点も失わないように仕組化してく必要があります。

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(引用)Greiner. L. E (1998). Evolution and Revolution as Organizations Grow. Harvard Business Review.に基づき作成

[参考文献]
Greiner. L. E (1998). Evolution and Revolution as Organizations Grow. Harvard Business Review. https://hbr.org/1998/05/evolution-and-revolution-as-organizations-grow