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企業成長の5つのフェーズ(フェーズ3:権限委譲と管理)

企業成長の5つのフェーズ(フェーズ3:権限委譲と管理)

■権限委譲による発展期
グレイナー博士が提唱する企業成長の5つのフェーズの3番目のフェーズは、権限委譲により発展し、発展した結果として管理による改革が必要となってきます。まず、企業は分散化された組織と権限委譲によって発展をしていくことにより、以下のような特徴を有していきます。

・製造部門と営業部門のマネージャーに重い責任が発生します。
・インセンティブやボーナスが従業員の動機づけとなります。
・各部門からの報告を除いては、本社の経営陣の現場への介入は制限されます。
・経営陣は分散化された各ユニットを充実させるために他社の買収を試みます。
・経営者からのコミュニケーションは少なくなり、通常、短時間の現地訪問や電話等の対応に限られるようになります。

権限委譲により中央集権的な組織から分散化された組織になるため、職位が低いマネージャーのモチベーションが高まり、業績が改善されていきます。これは、現場に近いマネージャーが顧客の要望に迅速に対応し、且つ、ニーズを踏まえた商品開発が可能となるからです。

■管理の欠如
しかし、分散化が進行することにより、経営陣による全社横断の管理力は低下していきます。通常、現場に近いマネージャーは、目の前の顧客や高品質の製品を製造することが最も重視すべき事であり、全体最適の観点からの意思決定や施策検討を行うことができません。結果として、計画・資金・技術・人材などのマネジメントで部分最適が蔓延り、全体最適の観点からみると無駄や非効率性が発生してしまいます。これが、管理の欠如というフェーズ3における経営の危機となります。

■管理を促す改革
無作為な権限移譲により、分散化が進行しすぎた組織において蔓延る部分最適の嵐をどのように解決していけば良いでしょうか?創業者は、部分最適の弊害を取り除くために、中央集権的な組織に戻そうとするかもしれません。しかし、このフェーズになると創業者が全てをコントロールすることは不可能なほど、組織が大きく・複雑になっています。
分散化された各部門の部分最適による非効率を解決するためには、創業者による中央集権組織への回帰ではなく、各部門の計画・予算・人的リソースが全体最適化されるようにコーディネートすることが必要となります。各部門の業務を見える化したうえで、全社(もしくはグループ全体)の事業計画を立案し、経営企画等の部門横断のチームを組成し得るように組織を変えていくことが必要です。

企業成長の5つのフェーズ(フェーズ3:権限委譲と管理)

(引用)Greiner. L. E (1998). Evolution and Revolution as Organizations Grow. Harvard Business Review.に基づき作成


[参考文献]
Greiner. L. E (1998). Evolution and Revolution as Organizations Grow. Harvard Business Review. https://hbr.org/1998/05/evolution-and-revolution-as-organizations-grow

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