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企業成長の5つのフェーズ(フェーズ1:創造性とリーダーシップ)

■創造性による発展期
グレイナー博士が提唱する企業成長の5つのフェーズの最初のフェーズでは、創造性により発展し、リーダーシップによる改革が必要とされています。まず、創業期において、企業は創造性によって発展をしていき、以下のような特徴を有します。

・創業者は、起業家的もしくは技術者的であり、経営管理にあまり重きを置かず、新商品の開発・販売のために物理的・精神的なエネルギーの大部分を投入します。
・従業員間のコミュニケーションは、頻繁、且つ非公式であることが多いです。
・比較的に薄給ではありますが、創業者利益を期待できることもあり、長時間労働を厭いません。
・意思決定やモチベーションは市場の反応に非常に敏感に呼応します。

創業期のこれらの特徴は、事業を立ち上げ利益を生み出していくときには、強力なエンジンとなり発展を促してくれることになります。

■リーダーシップの欠如
創造性をエンジンとして企業を立ち上げ発展をさせていくと、やがて生産量が増加していき社員も増えていきます。すると、発展期を支えてくれた特徴が、逆に企業の足枷になってきます。例えば、市場・顧客の反応には敏感ですが、経営管理に重きを置かないという特徴が生産量増加に対応するための効率的な製造工程の検討・実現を阻むことになってしまいます。また、コミュニケーションが頻繁、且つ非公式に行われているという特徴が逆に、従業員が増加したときに組織の運営やコミュニケーションの支障を引き起こす原因となってしまします。これは、従業員が増えると創業者による非公式なコミュニケーションだけでは、全ての従業員を把握・指導することができないためです。

■リーダーシップによる改革
これらの創業後に迎える危機を乗り切るために、初めての組織改革が必要となってきます。この場合には、組織に新しい経営管理手法を確立することができる強力なトップマネージャーが必要になります。大量生産を可能にする生産管理手法や組織内のコミュニケーションを促進させる枠組みを構築できるようなマネージャーです。創業者が過去の成功に拘ってしまいますと、これらの新しい手法を持ち込むマネージャーと相いれず、改革は進まなくなり、組織の発展は頭打ちとなります。これが、企業としての初めの重要な選択ポイントなります。つまり、創業者が強力な経営管理能力を持つ人材と共に企業を発展させることを選ぶのか、それともこれ以上の発展は望まないことを選ぶかの選択です。

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(引用)Greiner. L. E (1998). Evolution and Revolution as Organizations Grow. Harvard Business Review.に基づき作成

[参考文献]
Greiner. L. E (1998). Evolution and Revolution as Organizations Grow. Harvard Business Review. https://hbr.org/1998/05/evolution-and-revolution-as-organizations-grow