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二つの変化の潮流

■二つの変化の潮流とは
「組織行動のマネジメント(参考文献参照)において変化には二つの潮流があると表現されています。

一つは、静かな海を公開している比較的に大きな船をイメージしていただければと思います。この船は、平常時においては、非常に安定して運航しております。そして、たまに嵐がやってきたときには、船員は嵐を乗り切るためにあらゆる対応が求められますが、嵐が去ればまた平穏な航海へと戻っていきます。このような状態にある組織の変革は、嵐(変革が必要になるような外部環境の変化、もしくは内部環境の変化)がやってきたときに改革を行い、嵐が去ったら(改革が成功したら)また通常通りの業務へと戻っていきます。

もう一つは、常に荒れた海を小さな船でしかも船員は航海の経験が殆どないメンバーで航海している状態を想像してみてください。この場合は、安定した航海とは程遠く、常に小さな船が荒波にのまれないように、経験部不足の船員が四苦八苦している状態が目に浮かんできます。このような状態にある組織においては、予定調和に満ちた平穏な状態はなく、毎日状況が刻々変化し、その変化に組織全体で対応してく必要があります。

■なぜ二つ目の変化の潮流を考慮する必要があるのか?
近年多くの組織において、この二つ目の潮流、つまり外部環境が比較的に早いスピードで変化しており、それに対応していかなくてはならないという状態が慢性化してきているように感じます。特に情報産業、半導体製造、消費財等の業界では、目まぐるしく変わる環境の変化への対応が求められる傾向が強いのかもしれません。この二つ目の潮流が台頭してきている理由は3つあると考えます。

①情報技術の発展
インターネットやスマートフォンに代表される情報技術によって、消費者の情報量が格段と増えました。

そのことにより、かつて絶大なる力のあったTV CMなどによる画一的なマスマーケティングが効かなくなってきており、買い手が賢く強くなってきています。

つまり、売り手側である企業は製品・サービスを売るハードルが高くなってきている状態だと思います。

②人口構造の変化
日本国内においては、急速な高齢化により、働き手が少なくなっており、雇用確保が困難になる等の荒波が押し寄せてきています。

また、顧客の年齢も高まっており、これまでのような旺盛な消費活動はあり期待ができないと予想されます。

このような人口構造の変化により外部環境も大きく変わりつつあります。

③ライフスタイルの多様化
また、ライフスタイルも多様化してきています。都会から田舎に移り住む人やモノはなるべく持ちたくない人等いろいろな価値感があり、画一的な商品・サービスを販売していくことのハードルは今後ますます高まっていきます。

このように、外部環境が大きく変わっていく中で、企業は、常に嵐の中を小さな船で、経験不足の船員と共に進んでいくような状態となりがちなかもしれません。

■二つ目の変化の潮流にどのように対応するのか?
二つ目の変化の潮流に対応するためには、まず経営者が変化は当たり前のことだと受け入れることが必要です。

その上で、経営者も人も常に変化に対応していくことが必要ですし、人財の教育も含めて変化に対応しやすい組織へと変革していくことが必要です。

[参考文献]
スティーブン P. ロビンス (著), 高木 晴夫(訳) (2009). 組織行動のマネジメント. ダイヤモンド社, P434-437.