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抵抗勢力

■抵抗勢力とは?
組織に変化を起こすと少なからず抵抗する人たちが生まれて、抵抗勢力となります。

抵抗には、目に見える抵抗と目に見えない抵抗があります。

目に見える抵抗とは、変化に対して、ダイレクトに抵抗を示すことです。経営者やマネージャーが決定した方針に従わない、ストライキをするというような行動に表れます。

一方で、目に見ない抵抗もあります。変革に対して、あからさま抵抗は示しませんが、変革に対する抵抗感を持っており、数カ月後、半年後、一年後、数年後といったタイミングで不満や抵抗が顕在化していきます。

■なぜ抵抗が生じるのか?
「組織行動のマネジメント(参考文献参照)」においては、変化への抵抗を個人と組織で分けて捉えています。個人の変化に対する抵抗は、①習慣、②安全、③経済的要因、④未知に対する不安などが原因になっていると捉えています。

その中でも習慣を変えることに対する抵抗は多くの変化において、必ずと言ってよいほど現れます。

誰にでも思い当たる部分があると思うのですが、慣れ親しんだ仕事や作業のやり方を変えることには、程度の差はあれ、抵抗感を感じるものです。

また、変化によって、経済的、政治的に不利な立場に立たされる場合には、更に変化に抵抗する気持ちが強くなるのではないでしょうか。

一方で、組織の変化に対する抵抗も、個人の場合と同じように、組織に働いている慣性を変えようとすることに対する抵抗と、自分たちの安全を脅かされると感じることに対する抵抗の二つに集約されると考えます。

■どのように変化への抵抗を克服するのか?
変化への抵抗を克服するには、コミュニケーションの円滑化、変化を起こす取り組みへの参加、支援の提供、変革を受け入れることに対する報酬、学習機会の提供などが必要になってきます。

この中で何よりも大切なことはコミュニケーションだと思います。なぜ変革が必要なのかという背景、及びその結果としてどのように組織を変えようとしているのかを明確に伝えていくことが重要になります。

また、従業員を変革に参加させることも有効に働きます。変革に参加することにより、当事者意識が芽生えて、変化への抵抗ではなく、変化を生み出す側になっていきます。

変革プロジェクトの経験上、特に組織に影響力を持っているキーパーソンを選定して、その人たちへのコミュニケーションを適切に取り、変革に巻き込んでいく事が重要だと考えます。

[参考文献]
スティーブン P. ロビンス (著), 高木 晴夫(訳) (2009). 組織行動のマネジメント. ダイヤモンド社, P438-445.