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見える化(5つのカテゴリー)

見える化(5つのカテゴリー)

■見える化の5つのカテゴリーとは
経営や企業活動における問題を解決する場合に、「見える化」が必要となることがあります。しかし、この「見える化」は、目的や状況に応じて「見える化」する対象が異なります。遠藤功氏の著書の「見える化」で紹介されている「見える化」の5つのカテゴリーに沿って、「見える化」の対象について考えてみたいと思います。

 

同書で定義されている「見える化」の5つのカテゴリーは以下のとおりです。

 

@問題の見える化
A状況の見える化
B顧客の見える化
C知恵の見える化
D経営の見える化

 

■問題の見える化
「見える化」の本来の目的である問題を明らかにすることが、「問題の見える化」というカテゴリーです。問題を把握し、問題解決に至るためには、一足飛びでは上手くいかないため、現場レベルの見える化を実現することが肝要となってきます。また、「問題の見える化」は以下のように更に5つに細分化されます。

 

・異常の見える化
異常が発生した際に、その事象が可視化され共有されること

 

・ギャップの見える化
計画や目標値とのかい離がある場合に、そのギャップを可視化すること

 

・シグナルの見える化
異常そのものではなく、それを知らせるシグナルを共有/伝達すること

 

・真因の見える化
問題が発生した際に根本的な原因を見える化し、問題解決に資するようにすること

 

・効果の見える化
問題解決策を立案するだけでなく、実行したうえで想定通りの効果が出ているかを示すこと

 

■状況の見える化
問題の発生を把握して、真因を特定し、問題解決に至る前提として、現在の状況を見える化することが必要となります。そのために、企業活動や経営資源を可視化していく「状況の見える化」が求められます。「状況の見える化」は大きく2つに細分化されます。

 

・基準の見える化
状況を把握するためには、基準を明確にする必要があります。この基準とは、財務数値や戦略を遂行するために必要なKPIのことを指します。

 

・ステータスの見える化
基準を明確にした後は、現状が基準に達しているかというステータスを明確にする必要があります。ステータスは大きく計画系とリソース系に分かれます。計画系は、戦略を遂行するための計画に達しているのか否かのステータスです。他方、リソース系は、計画遂行するために必要なヒト・モノ・カネに代表される経営資源の状況を見える化することを意味します。

 

■顧客の見える化
企業内部だけでなく、外部環境の見える化として顧客の見える化も重要です。顧客の見える化も2つに細分化されます。

 

・顧客の声の見える化
顧客の賞賛/クレームや潜在的なニーズ、ウォンツを見える化することで、サービスのブラッシュアップや新製品の開発へとつなげていくことが可能となります。

 

・顧客にとっての見える化
顧客に対して必要な情報を開示していくことを意味しています。このことで、サービスに対する安心感や納得感を醸成することが可能となります。

 

■知恵の見える化
「知恵の見える化」はナレッジマネジメントと同じ意味として使われており、こちらも2つに細分化されています。

 

・ヒントの見える化
ベテランの思考法のような本来ならば暗黙知として一子相伝で伝えていくようなコツのようなものを企業内で共有することを意味しています。

 

・経験の見える化
成功・失敗の経験を共有し、従業員が過去の経験を共有/参照することにより、現在の問題の解決や将来のリスクを回避することに役立てようとするものです。

 

■経営の見える化
これまでの四つのカテゴリーはオペレーションに関わることでした。加えて、オペレーション全般の執行を監視・監督するための「経営の見える化」が必要となります。

 

「経営の見える化」の目的の一つは、現場の問題解決状況や新たな火種を見える化することにより、経営者が経営課題を把握し、リスク回避のために必要な対策や意思決定ができるようにすることです。

 

また、株主、取引先、地域社会等のステークホルダーへの適切な情報開示という経営責任を担保するためにも必要となります。

 

■まとめ
以上のように、「見える化」は、問題・状況・顧客・知恵・経営の5つのカテゴリーに分けることが可能です。企業の状況に応じて、どのカテゴリーの「見える化」が必要なのかを認識したうえで、検討を進めることが有用となってきます。

 

なお、「見える化」がなぜ必要なのかという理由は、主に経営上の問題を解決するためです。そのため、多くの場合、「問題の見える化」が「見える化」の中心になってくると思われます。また、「問題の見える化」を実現するためには、状況を把握しておくことが前提となりますので「状況の見える化」も「見える化」を検討する中で求められることが多いのではないでしょうか。

 

そのうえで、「見える化」のレベルを高めることにより、経営者が適切に問題・状況を把握し、意思決定を行えるように「経営の見える化」にまで到達するというイメージなのかなというところが所感です。

 

[参考文献]
遠藤功(著), (2005). 見える化. 東洋経済.

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