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見える化(4つの落とし穴)

見える化(4つの落とし穴)

■「見える化」の落とし穴とは
経営の「見える化」は、経営者であれば多くの方が必要とするところですが、「見える化」がうまくいかないとうことも発生しがちです。ここでは、遠藤功氏の著書の「見える化」で紹介されている「見える化」の四つの落とし穴を切り口として、うまくいかない原因について考えてみたいと思います。

「見える化」を進める際の4つの落とし穴とは以下のとおりです。

@IT偏重
A数値偏重
B生産偏重
C仕組み偏重

■IT偏重
「見える化」をする場合にITシステムを導入することによって、「見える化」を実現しようするというのはよくあるケースです。しかし、ITシステム導入による「見える化」が失敗に至るというのもまたよくあるケースです。

失敗に陥る原因は、以下の3点が多いと感じています。

・実際の業務にITシステムが合致しておらず、使用することができないケース
・ITシステムから発信されるデジタル情報が使用するユーザーにとって意味のある情報だと受け取られないケース
・何をどのように「見える化」したいのかという、ITシステム導入の目的と手段が曖昧なまま導入が進められ、システムが活用されないケース

特に3つ目のITシステム導入の目的と手段が不明確である点が、IT偏重に陥る真因であることが多いように思います。

■数値偏重
経営を「見える化」する際には、数値を「見える化」することが重要であることに間違いはありません。経営数値やKPIは飛行機の操縦でいうところの計器が表す数値のようなもので、なくてはならないものです。

しかし、数字の裏側にある定性的な事実や現場の声がないと、有効な対策を講じることができない場合があるということもまた事実です。例えば、工場において従業員一人あたりの労働生産が落ちている場合に、何が原因なのかを探る場合には、いくら数字を見ていても意味がありません。現場の声を聞きながら真因を特定してくことが必要なります。

この現場の声という定性的な情報をいかにして「見える化」するかということが数値偏重から脱却するために必要となってきます。

■生産偏重
「見える化」を実施する際に、その対象がものづくりの現場に終始していて、研究、営業等の機能に対して実施がなされないケースが多いようです。これは、もともと「トヨタ生産方式」や「TQM」のように生産の現場における改善活動に伴い、「見える化」が進んできたことが背景にあるようです。

また、生産現場においては、不良品率等の生産性を図る定量指標を設定しやすいのに対して、営業分野では定量化が比較的に困難という実情もあります。加えて、営業は比較的に属人的な取り組みであるということが、これまで「見える化」が遅れてきた背景にあるように思います。

しかし、近年では、CRM(Customer Relation Management)のように営業分野の管理効率化にともない「見える化」が促進されてきている部分もあり、営業生産性の向上とその「見える化」が進むことが期待されます。

■仕組み偏重
IT偏重と重なる部分があるのですが、「見える化」を進める際に手法やツールのマネに終始してしまい、失敗に陥るケースがあるようです。失敗の真因は、こちらもIT偏重と同じように「見える化」の目的や、どのように実現すべきなのかという手段の検討が不十分なことがあげられるのかもしれません。

■まとめ
このように、「見える化」を検討する際には、その目的と実現するための手段を十分に検討することで、失敗という落とし穴を回避できる確率が高まるのかもしれません。

[参考文献]
遠藤功(著), (2005). 見える化. 東洋経済.

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