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MBO(Management by Objective)

MBO(Management by Objective)

■MBOとは
MBOとは、目標管理による従業員の動機づけの方法です。MBOにおいて、重要なコンセプトは、組織全体の目標と部の目標、課の目標、個人の目標が連携されていることです。つまり、組織全体の目標を達成するために、各部門の目標が設定され、部門の目標を達成するために、各課の目標が設定され、課の目標を達成するために個人の目標が設定されます。一見、トップダウンで目標が設定されていくようではありますが、上位の目標を達成するために、自分たちで目標を設定するという側面もあり、ボトムアップ的要素も含んでいます。

■MBOに共通する四つの要素
MBOを効果的に実行するには、4つの要素が必要になってきます。その4つとは、@目標を限定すること、A従業員を巻き込むこと、B期限を設けること、C業績のフィードバックをすることです。
@目標を限定すること
目標は、具体的であること、測定可能であることが必要となります。目標が具体的であれば、具体的な行動へと転化しやすくなります。また、目標が測定可能であれば、評価やフィードバックを行いやすくなります。例えば、営業生産性を向上させるという目標は具体的でもなければ、測定可能でもありません。見込客先へ月20回訪問し、商品・サービスのプレゼンテーションをするなど定量的であることが必要となります。
A従業員を巻き込むこと
従業員を巻き込むという観点では、2つのことが必要になってきます。一つは、全社が向かっていく方向・ビジョンを繰り返し周知することにより、なぜ全社目標が設定されたのかを理解させることです。そして、目標を設定する際には、上位レイヤーの目標を達成するために、自分たちがどのような目標を達成すべきかを自律的に考えていくことが必要となります。このことにより、当事者意識が生まれ高いモチベーションを持って、目標に向かうことができるようになります。
B期限を設けること
期限を設けることも重要です。いつまでに達成するべきかというタイムリミットが無い限り、目標が達成される可能性は低くなります。人は期限を持つことによって、はじめて具体的な行動計画を立てることができるようになります。
C業績のフィードバック
また、目標が達成されたか否かを適切にモニタリングする必要があります。そのことにより、達成していなければ、どのように改善すれば良いかを検討できますし、達成していれば適切な報酬を受けることができるようになり、更なるモチベーションアップへとつながります。

■MBOが活用される理由とは
MBOが目標設定や個人の動機づけに活用される理由は、個人の目標を達成することにより、課の目標が達成され、課の目標が達成されることにより、部の目標が達成され、部の目標が達成されることにより、組織全体の目標が達成されていくところにあると思います。つまり、組織全体の向かうべき方向性と部・課・個人の向かう方向が一致しているからと言えるかもしれません。
「組織行動のマネジメント(参考文献参照)」において、MBOは、多くの企業や医療機関、教育機関、公的機関等で活用されていると述べられています。しかし、だからと言って、全てが経営側の思い通りになるというわけではなく、失敗例も多くあるようです。失敗する場合には、MBOの考え方が悪いのではなく、報酬等の制度設計が適しておらず失敗に至るケース、経営者の取り組み姿勢に問題があるケースもあるようです。
MBO導入に当たっては、自社の企業文化を踏まえて、要否を決めていく必要があると同時に、一度導入するとなった場合には、経営者の姿勢、報酬制度も含めて、コミットメントしていく必要があるのかもしれません。

[参考文献]
スティーブン P. ロビンス (著), 高木 晴夫(訳) (2009). 組織行動のマネジメント. ダイヤモンド社, P105-108.

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