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PSM分析

■PSM分析とは何か?
PSM分析とはPrice Sensitivity Meterの頭文字から名付けられた呼称で、経済学者のPeter van Westendorp氏によって提唱されたものです。新商品・サービスの価格を決定するような際に、参考価格として使用されます。PSM分析を進めるためには、まず、アンケート調査のような形式で想定される顧客に下記の4つの質問を行います。

質問①: 「安くはない」と感じはじめる価格はいくらくらいですか?
質問②: 「高すぎる」と感じはじめる価格はいくらくらいですか?
質問③: 「高くはない」と感じはじめる価格はいくらくらいですか?
質問④: 「安すぎる」と感じはじめる価格はいくらくらいですか?

■PSM分析から導き出される4つの価格帯
これらの4つの質問の回答結果から、価格決定において参考となる4つの価格帯を導き出すことができます。

最高価格
・「高すぎる」という回答者の累積値と「高くはない」という回答者の累積値が交差する値が「最高価格」
・商品・サービスについて設定することが出来る最高の価格で、この価格を超えると顧客が高すぎて購入できないと判断してしまう価格
・高級商品や特定のユーザー向けの商品・サービスが参考にすると良い価格

最低品質保証価格
・「安すぎる」という回答者の累積値と「安くはない」という回答者の累積値が交差する値が「最低品質保証価格」
・商品・サービスについて設定することが出来る最低の価格で、この価格以下となると顧客が「品質等に問題があるのではないか」と疑い始める価格
・量販店や普及品のディスカウント等の際に参考にする価格

妥当価格
・「高くない」という回答者の累積値と「安くはない」という回答者の累積値が交差する値が「妥当価格」
・顧客が価格として妥当と心理的に感じる価格
・通常、市場シェアが最も高い商品・サービスの価格と限りなく近しい値となる

理想価格
・「安すぎる」という回答者の累積値と「高すぎる」という回答者の累積値が交差する値が「理想価格」
・顧客が求める理想的な価格
・多くの場合、妥当価格よりも若干安いところに落ち着く

PSM分析を実施する場合の留意点として、携帯電話の通話料のような料金体系が複雑な商品の場合には調査のための質問を適切に設定することが難しいということがあげられるかもしれません。また、顧客がそもそも商品・サービスの内容や価値を正しく認識していないような場合には、価格をイメージすることが出来ないので、適切な価格となっていない可能性もあります。

[参考文献]
吉川尚宏(著). (2009). 価格戦略 入門. ダイヤモンド社.