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ブランド・ロイヤリティ

■ブランド・ロイヤリティとは?
デーヴィッド・A・アーカー氏が提唱するブランド・エクイエティの中で、ブランドネーム認知度、ブランド連想、知覚品質は購入までに至らない人が感じているイメージも含まれていますが、ブランド・ロイヤリティは主に既存顧客に対する指標となっており、このブランド・ロイヤリティを高めることが売上を拡大していくときには、重要な要素となってくる場合が多くあります。

■ブランド・ロイヤリティ拡大の段階
ブランド・ロイヤリティの拡大には、ブランドが認知されていない①ブランド不認知から、②ブランド認知、③ブランド選択、④ブランド固執と呼ばれる4つの段階があります。当然、ブランドが認知されていないブランド不認知はブランド・ロイヤリティがゼロの段階であり望ましいとは言えません。他方、ブランド固執はブランド・ロイヤリティが最も高く、ブランド固執の段階の顧客を多く抱えることが目指すべき姿と言えると思います。

ブランド不認知
ブランドを認知していない状態で、ブランド・ロイヤリティがゼロの段階です。

ブランド認知
ブランドが認知されていない状態から一歩進んで、ブランドが認知されている段階です。ただし、ブランドが認知されているというだけで、特定のブランドだからといって購入されるわけではない段階です。

ブランド選択
ブランド選択の段階は、他の製品と比較され選択されることで購入へと至ります。具体例として、家電製品である洗濯機のブランド選択の段階を考えてみましょう。この場合、購入者の予算にもよりますが、まず有名どころのブランドが購入対象の候補として挙がってくるのではないでしょうか。その候補となるブランドの製品を比較検討して、サイズ、消費電力、価格、追加機能等を鑑みて選択されたブランドが購入に至っていきます。このときに候補となったブランド群がブランド選択の段階と捉えることができます。

ブランド固執
ブランド固執の段階は、特定の領域において、このブランドしか購入しないと顧客が感じており、ブランド・ロイヤリティが最も高まっている段階と言えます。例えば、衣料品において特定のブランドに対して高いロイヤリティを持っていて、そのブランド以外の製品は購入したくないと顧客が感じている段階がブランド固執です。当然、ブランド固執してくれる顧客が多ければ多いほど、売上拡大への貢献も大きくなり、ブランド・ロイヤリティの観点では目指すべき姿と言えます。

このように、ブランド・ロイヤリティの拡大には、ブランド不認知、ブランド認知、ブランド選択、ブランド固執という段階があります。ブランド・ロイヤリティを高めることは、何も衣料品や車のような製品だけでなく、日用品も含めて多くの製品・サービスにも適用することができると思います。例えば、ビニール袋一つを例に考えてみても、小さな子供がいる家庭では、赤ちゃんのオムツの匂いを消すことが出来るようなビニール袋が好まれ、特例ブランドの製品が好んで購入されるというようなケースもあります。

特に、スタートアップや中小企業の場合には、ターゲティングをしっかりと行い、特定顧客のニーズに刺さるような製品・サービスを高い品質で提供していくことがブランド・ロイヤリティを高める土台となってくるのではないでしょうか。

[参考文献]
安田貴志(著). (2007). マーケティングの仕組み. 日本能率協会マネジメント協会.