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ゲーム理論の超基礎と経営との関係

■ゲーム理論とは?
ゲーム理論とは、数学者であるノイマン氏と経済学者であるモルゲンシュタイン氏によって開発されたもので、主に経済学で使用されてきた理論ですが、経営判断に用いられることもあるようです。

ここでは、ゲーム理論について、理論の基本的な考え方と経営との関係についてふれてみたいと思います。
■ゲーム理論における均衡
まず、ゲーム理論の中の均衡という考え方について、下記図の通り、非常に簡単なモデルを用いて考えてみたいと思います。

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<モデルの前提>
・A社とB社は全く同じ仕様の製品を、同じ条件で販売しています
・その製品を販売しているのは、A社とB社のみです
・現在、A社とB社は全く同じ値段で製品を販売しています

<起こりうるパターン>
①A社、B社共に値段を据え置くと利益は両社とも50と等しくなります
②A社が値段を据え置きで、B社が値下げをする場合、A社の利益は20になり、B社の利益は100となります
③A社が値下げをして、B社が値段を据え置く場合、A社の利益は100になり、B社の利益は20となります
④A社、B社が値下げ競争になり、原価付近まで値段を下げざる得ない状態となる場合、両社とも利益が0となります

<均衡>
このようなパターンが起こりうるときに、あなたがA社の経営者である場合に値下げをするでしょうか、値段を据え置くでしょうか?

A社にとって、一見最も好ましいのはA社の利益が最大化する③のパターンです。

しかし、③の状態を維持することはできるのでしょうか?

答えは、Noだと思います。なぜならば、A社が値下げをするならば、うちも値下げをしようとB社も値下げをしてくるはずだからです。

結果として、A社とB社の値下げ競争が始まり、両社にとって最も望ましくない④の状態に陥ってしまうことになります。

つまり、この前提においては、A社とB社がとるべき、戦略は①の値段を据え置く以外にあり得ないということになります。そして、この状態が「均衡」状態にあると呼ばれています。

前提を置けば、確かにその通りだが、都合よく考えすぎてないかと思われるかもしれません。

しかし、デフレ時代の牛丼チェーンの値下げ競争のことを考えてみると現実に起こりうるモデルだということも言えるかと思います。

ゲーム理論は、経営の現場において、マーケティングや店舗の出店計画等において、使用されることがあるようです。

■ゲーム理論の留意点
ゲーム理論は、前提を置かなければ成立せず、現実離れしている理論だと批判されていることもあるようです。

事実、実際の経営においては、関わる変数の数が非常に多いため、モデル化するには、困難がつきまとい、どのような状況にも適用できる理論ではないことは確かです。

しかし、牛丼チェーンの値下げ競争のように、一定条件が整うと、ゲーム理論を適用できる状態となることもありますので、頭の片隅に入れておいても損はないのかもしれません。