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デュポン・アイデンティティー (Du Pont Identity)

デュポン・アイデンティティー (Du Pont Identity)

■デュポン・アイデンティティーとは?
デュポン・アイデンティティーは、米国の化学会社であるデュポン社によって考案されたROE(株主資本利益率)を要素分解して分析するための考え方です。

まず、ROEは下記の式で表され、株主資本がどの程度効率的に利益を生み出しているかを示した指標です。

株主資本利益率(Return on Equity) = 当期純利益(Net Income)÷株主資本(Equity)

ROEを分析する際には、自社の過去年度の値、業界標準の値、競合他社の値等との比較を行います。

デュポン・アイデンティティーは、ROEを更に@総資本回転率(Total Asset Turnover)、A財務レバレッジ(Equity Multiplier)、B売上高利益率(Profit Margin)の3つに分解して、ROEの高低の原因を掘り下げるために使用します。

デュポン・アイデンティティー (Du Pont Identity)


分解された3つの要素についてみていきたいと思います。

@総資本回転率
総資本回転率(Total Asset Turnover)は、企業の総資本がどれだけ効率的に売上高を生み出しているかを測る指標で、式は下記のとおりです。

総資本回転率(Total Asset Turnover) = 売上高(Sales)÷総資本(Asset)

総資本回転率が低い場合には、資本が効率的に運用されておらず、不良資産を抱えているというような可能性も出てきます。

また、大きな設備投資が必要な製造業は比較的に低く、設備投資がそれ程必要ないサービス業などでは比較的に高い値となる傾向があります。

A財務レバレッジ
財務レバレッジ(Equity Multiplier)は、自己資本に対する総資本の規模を測る指標で式は以下の通りです。

財務レバレッジ(Equity Multiplier) = 総資本(Asset)÷株主資本(Equity)

財務レバレッジが高すぎると、負債を多く抱えていることになりますので、企業の安全性の観点からリスクを抱えていると考えることができるのかもしれません。

また、ROE単独でみると比較的に高く良好な値を見せていても、財務レバレッジが高すぎる場合には財務的な安全性でリスクを抱えている可能性があるというように、ROE単独では見えない企業の状態を把握することが可能になります。

B売上高利益率
売上高利益率(Profit Margin)は、売上高に占める当期純利益の比率を表した指標で、式は以下の通りです。

売上高利益率(Profit Margin) = 当期純利益(Net Income)÷売上高(Sales)

例えば、@の総資本回転率が高く、効率的に資本を活用して高い売上高を上げていても、Bの売上高利益率が低いことに起因してROEが他社や業界標準の値よりも低くなっている場合も起こりえます。

このような場合には、原価や販管費を下げる、高利益製品に注力する等の利益率を上げるための施策を講じることが有効になるというような検討がなされるべきなのかもしれません。

■まとめ
式を見れば明らかですが、@総資本回転率とA財務レバレッジとB売上高利益率を掛け合わせるとROEの式になることからも、ROEはこれらの3つの要素から成り立っていることが分かります。

ROEを分析する際には、ROE単独で過去年度やベンチマークとなる値と比較することに加えて、3つの要素に分解してみていくことで、ROEの高低の原因や企業の強みや弱み課題が見えてくるのではないでしょうか。

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